FAQ

ここではガーデニングについて、初心者から経験者まで皆様からよく受ける質問についてお答えします。皆様をすばらしい球根の世界へご案内するためのお役に立てれば幸いです。

「スピーシーズ・チューリップ」(原種チューリップ)とは、人工的な改良や交配を経ていない、初めて発見された当時のままのチューリップを指します。一方、「ボタニカル・チューリップ」は原種となったチューリップに極めて近い交配種のことを指します。ただし、どちらも野生のチューリップを指しているわけではなく、オランダはスピーシーズ・チューリップもボタニカル・チューリップも輸出していますが、オランダ産チューリップはすべて、国内生産されたものです。スピーシーズ・チューリップもボタニカル・チューリップも他のチューリップよりも球根のサイズが小さく、ロックガーデンでの栽培に特に適しています。

掘り上げる必要のない球根とは毎年繰り返し開花する球根、球茎、塊茎のことを指します。パッケージに掘り上げ不要と記載されていれば、開花後土から掘り上げる必要はありません。掘り上げが不要の球根の場合、毎年繰り返し花を咲かせ、球根の数も増える場合もあります。特に不要の記載がなくても、掘り上げが不要な球根もあります。次の年に開花するかどうかは土壌の質、pHレベル、そして水はけの具合によります。繰り返し開花を楽しむには開花後すぐに葉をつまず、自然な状態で完全に枯れてしまうまで1、2ヶ月待ってからつむことが重要です。

最も人気のあるチューリップは‘アペルドールン’や‘オックスフォード’などの赤いチューリップです。これらの品種はチューリップ市場全体を何年にもわたってリードしてきており、どの花屋に行っても赤いチューリップを見かけることができます。最も有名なチューリップは‘クイン・オブ・ナイト’などの黒いチューリップです。色は実は黒ではなく、深い紫ですが、黒に近いことにより、どこか魅惑的な雰囲気があります。本当に黒いチューリップを求め、何世紀にも渡って交配を続けてきましたが、‘クイン・オブ・ナイト’が今だ一番黒に近い色です。

チューリップとスイセンは絶対に同じ花瓶に入れないでください。スイセンは粘り気のある分泌物を出し、チューリップを傷めてしまいます。フリチラリアとチューリップは同じ花瓶に入れても問題はありません。

チューリップは刈り取った後すぐに10本をひとまとめにして水に浸します。この作業は花の品質を保つために非常に重要な作業です。チューリップの切り花は通常輸送される間も水を与えられています。

チューリップの色と、花の強さや花瓶に生けた場合の花保ちのよさはまったく関係がありません。植物学的にチューリップは花瓶に生けた場合、他の花に比べあまり花保ちはよくありませんが、園芸品種として選ばれたチューリップの多くは花瓶に生けた場合でも他の花と同じくらい長く楽しむことができます。

庭に植えられたチューリップの茎は花弁が全て落ちてからも成長を続けます。これはごく自然な現象です。このように成長を続けることにより、まわりの植物より草丈が高くなり、昆虫を誘い込みます。この生命力は茎からきているので切られてもなお成長し続けるのです。チューリップを使ったブーケを作る際、必ずこのことを念頭におきましょう。

チューリップは日当たりを好むと同時に日陰も好みます。ところで、ひとつ注意したいのは、チューリップの球根を植え付ける時期の日当たり具合と開花する頃の日当たり具合が違うことです。開花時には落葉樹の葉がすっかり落ちていて、春の豊かな陽光が庭にさんさんと降り注いでいることがよくあります。

窓辺に置くことによってチューリップやスイセンが傷んだりすることはありません。ただし日が当たることにより花が開き、花保ちが悪くなります。日がよく当たると暖かくなり、開花プロセスのスピードを上げてしまいます。花を長く楽しむには日がよくあたる窓辺は避けたほうがよいでしょう。

花の茎は必ず斜めに切りましょう。茎をより多く水に触れさせることができ、水分をより多く花に与えることができます。また、はさみではなく、鋭利なナイフを使いましょう。はさみを使うと茎をより多く水に触れさせるどころか切り取ってしまいます。

ネズミはどこにでもいる生物なので完全に庭に入らないようにすることは難しいです。ただ、ネズミを阻止する最も良い方法は常に庭をきれいな状態に保つことです。落ち葉などは残さず拾い、食べ物やその他のくずも絶対に落とさないようにしましょう。庭から種を無くすことも重要です。開花を終えた花はすぐに切り取り、鳥のえさ箱なども地上から離れたところに置きましょう。

特に何も悪くありません。これはフリチラリア・インペリアリスの球根とその花の特徴です。ちなみにオランダでのニックネームはstink lily (臭いユリ)です。しかしこの臭いの効果でモグラを庭に寄せ付けない効果があります。

スイセンタゼッタ (通称:ペーパーホワイト)は秋に購入できる球根で、多くの種類があります。

‘Avalanche’- 白と黄色の花色

‘Chinese Sacred Lily’ – 花色は白でオレンジのカップ

‘Erlicheer’ – 白と明るい黄色の八重咲き

ペーパーホワイト全種Paperwhiteはオランダよりも天候が温暖な国から輸入されています。7月8月の入荷後、球根業者は26℃の温度で球根を保存します。また、球根を輸出する前に16℃の温度で6週間寝かせる必要があります。この温度はでんぷんを糖分に変えるのに必要な温度で、花の生長を促します。球根を購入したら、一つを縦に半分に切ってみるといいでしょう。中心に黄色い芽があり、葉となります。また、その芽の中心にはオレンジ色の個所があり、それが花になります。これらの黄色とオレンジ色が薄ければ葉は短く、濃ければ葉が長く成長します。球根を植え付けるさいには、小石やビーダマの中に植え、水を球根の株に接するまで水を入れます。根が生長してきたら、水を少し減らしましょう。窓辺にヒーターがあるならば、窓辺に置き、下からのラジエーターからの熱で成長を促してくれます。

ご家庭での植付けを楽しんでください。

球根植物のほとんどはロックガーデンには大きすぎます。ただ、チオノドクサ・ルシリエ ‘アルバ’、アネモネ・ネモロサ、セツブンソウ・ヒエマリス、クロッカス・シエベリ ‘トリカラー’などの小さいクロッカスや、フリチラリア・ミカエロフスキー、スイセン・ブルボコディウム、チューリップ・ウルミエンシスなどはロックガーデンには最適といるでしょう。

チューリップに限らず球根花のいくつかは開花時期をずらすことができます。球根を冷蔵庫のような部屋で保管し、冬であるという錯覚を起こさせ、その後に暖かく、日光の当たる温室に入れることにより、通常の開花期を完全に変えることが可能です。チューリップの球根内の化学作用のスピードが早まることにより、早い時期に花が咲きます

秋植え球根は厳しい冬でも耐えることができるため、ほぼ全種類を屋外で植えることができ、実際、開花するには一定の寒い期間が必要です。例外としてアマリリスと、スイセンの‘ペーパーホワイト’があり、これらは屋外には植えずに、12月か1月まで涼しいところに鉢植えの状態で保管し、その後開花のため暖かい場所に移動しましょう。

球根は多年生植物や低木の根元に植えると力強く成長します。球根植物は多年生植物や低木が緑になる頃よりも早く芽を出すので、球根に十分な日光とスペースを確保することができ、花の生育に最適です。ただ、土壌が硬くなっている場合、また根が張っていて穴を掘るのが難しい場合は穴をできるだけ小さくし、球根を一つずつ穴に入れていきます。また、専用の球根植え機を使うと、簡単に植え付けが行えるだけでなく、多年生植物や低木の根へのダメージを最小限に留めます。

アマリリス(Hippeastrum)をポットに植え、水を与えたら、すぐに暖かく、日光の当たる窓辺に置きましょう。暖かい環境であれば、約3週間で開花し始めます。つぼみが開き始めたら日光から遠ざけ、部屋のより涼しい個所に移動させてください。これにより花を長く楽しむことができます。

掘り上げる必要のない球根は開花後、自然に枯れることにより来年の開花に向けて栄養を作り出すことができます。球根を購入の際には必ずパッケージを見て掘り上げの必要があるかどうかを確認してください。

フリチラリア・インペリアリスとアリウム種の球根は強い臭いを持っています。ニラ、ラムソン、たまねぎ、エシャロット、にんにくは全てアリウム種に属しています。この品種の他の球根も同様の臭いを発します。フリチラリア・インペリアリスの強い臭いは庭のモグラ退治に最適です。

球根はどのような土壌、庭でも植えることができます。大切なのは球根を植えた場所が冬期の間あまり湿っていないことです。雨の数日後まで水溜りが残る場所は球根にとっては最悪な状態です。唯一の例外がフリチラリア・メレアグリスで、あまり乾燥した土壌では生育しません。また、粘土質の層に植え込み用の穴を掘るのは難しいかもしれませんが、チューリップやスイセンにとってはこのような土壌が最適です。

チューリップの切り花には基本的に栄養剤は必要ありません。栄養剤を与えたとしてもマイナス効果にはつながりません。むしろ花の寿命が延びることもあります。

掘り上げる必要のない球根であれば毎年繰り返し開花し、球根の数も増えてきます。他の球根であれば、開花後すぐには掘り上げず、葉が完全に枯れるまで待ちましょう。こうすることにより、球根は来年必要になるエネルギーを蓄えることができます。球根を掘り上げ、保管する作業は難しい上に、失敗することが多いからです。